事例視察 など


富山県砺波市 白やぎの村

◆事例視察◆ 富山県砺波市庄東地区で始まった地域づくり「白やぎの村」の見学会に参加してきた。見学会の主催は、富山市で活動しているNPO法人まちなかライフスタイル研究会。(丸山)

 

散居村の地域にちりばめられた互いに補完しあう幾つかの施設と、そこで展開される取り組みの広がり、困難を笑い飛ばして前進する二人の運営者の人柄に魅了された。

各施設は空き家の利用を主としていて、運営者や地域の人間関係を慕って新しい居住者が増える気配もあり、高齢者支援、子育て支援、コミュニティ再生の取り組みであると同時に、地方集落の人口減少、空家問題への取り組みとしても注目できる。

 

訪問先:
1)大地と大空のポピー村(富山型デイ)+ものがたり診療所庄東
2)庄東の家(看取り+地域の茶の間)
3)みやの森カフェ(ケアラーズカフェ)

 

1)大地と大空のポピー村(富山型デイ)砺波市宮森
高岡市でデイサービスと地域の茶の間を運営してきた宮崎さんが、砺波市庄東の「ものがたり診療所庄東」に併設する形で2011年9月開設した富山型デイ サービス。古い大きな民家を再利用し、店子となる診療所とも連携して看取りも行っている。2011年4月に開設された診療所は、地域唯一の診療所の閉鎖を 受けて地元協議会(庄東振興協議会)が開設準備を進めたもので、賃貸料は地元協議会が負担している。再利用した民家に散居村特有の屋敷林は残っていない が、ずっと以前にはあったはずとのこと。

 

2)庄東の家(看取り+地域の茶の間)砺波市頼成
ポピー村を運営する宮崎さんが高齢者の看取りを目的に高岡から移住してきた自宅。友人と2人で居住。屋敷林や蔵も残る築80年以上の大きな民家を再利用し ており、みやの森カフェのオープンにあわせて2014年8月30日にオープン。地域の茶の間としても解放し、駆け込み寺ともなり、看取りを行っていきたい とのこと。息子さんによるリフレクソロジーも行っている。

 

3)みやの森カフェ(ケアラーズカフェ)砺波市宮森
富山市でフリースクールを運営してきた加藤さんが、親の老後をどう見るかを考える中で、友人である宮崎さんの誘いを受けて、新湊からポピー村の近くに移住、 介護者のためのケアラーズカフェを2014年8月30日に開設した。当初は古い民家の改修を検討したが、予算があわずに除却して自宅とカフェの2棟を建 設。週3回のランチとティータイム、土曜日の予約による相談とランチ、週3回の地域居酒屋など、カフェの利用は多岐にわたる。高齢者を介護する家族だけで なく、フリースクールの経験を生かした幅広いケアラーズカフェとして取り組みが始まっている。

 

今回の見学は、ある時点の断面。時が経てばさらに豊かな取り組みに発展していること間違いなしのバイタリティーと熱意に魅了された見学会であった。